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1 羽釜(はがま)の知恵と炊飯器の知能
日常生活を考えると,コンピューターが身近なところで使われていることに気付きます。
例えば,炊飯器です。
「ふっくらご飯」や「かまどご飯」など,人工知能を有した電気炊飯器がコンピューター制御で美味しいご飯を作ります。
その昔,母親の知恵と道具で美味しいご飯を食べていました。
ご飯作りを任せられても,母親の柔軟な知恵になかなか追いつけません。
ある意味修行が必要でした。
筆者は,ある日,米をといで炊飯器にセット。
夕食が近づいて,のぞき込むと,冷たい水に米が沈んだまま。
スイッチの入れ忘れです。
炊飯器は,スイッチを入れなければ,何もしてくれません。
そもそも電気がなければ,何もできません。
安定したエネルギーが供給され,高機能な炊飯器が普及している今の時代です。
子どもには,ご飯を炊く学習は必要ないのではないかと思えてしまいます。
学校の家庭科の授業では,「米飯の調理」として炊飯を取り扱います。
炊飯に関する基礎的・基本的な知識及び技能を身に付けることをねらいとしています。
米の洗い方,水加減,浸水時間,加熱の仕方,蒸らしなど,固い米が柔らかい米飯になるまでの一連の操作や変化を実感的にとらえ,炊飯することができるようにすることがねらいです。
その際,観察した結果をまとめたり,発表したりするなどの活動を取り入れ理解を深めるようにすることも想定しています。
すなわち,科学的な炊飯の学習です。
2 感動を生むドローンと敬遠されるドローン
(1)感動を呼び起こす動画を撮影するドローン
ドローンは,超小型のヘリコプターのようなもので,カメラをつけて空中撮影ができるなど,便利で興味深いものです。
ドローンで撮影したある動画が,BBCで紹介され,世界で話題になりました。
それは,世界一周の新婚旅行をする日本人のご夫婦の動画です。
その動画には,ドローンで自撮りした世界の絶景が登場します。
それもさることながら,人とのふれあいや笑顔を写し出している映像が,実に素晴らしいのです。
お時間が許せば,検索してご覧になってください。
思わずこみ上げてくるものがあります。
(2)敬遠されるドローン
一方,ドローンは敬遠されもします。
寺社仏閣には「境内の中で飛ばさないでください」と立て看板が立っているところがあります。
各地のマラソン大会では,飛ばさないように注意喚起されます。
他にも,政府の建物の上にドローンを飛ばしたり,ドローンを墜落させて人にけがを負わせたりなど,多々事件が起こっています。
このようにドローンが登場したことによって,その働きを知り,適切な使い方の理解やマナーなどが必要になってきました。
ドローンが無かった時代には必要のない,新たなマナーや使い方考え方を身に付けていく必要があります。
3 健康管理ができるウエアラブル端末
腕時計やゴーグル等ウエアラブル端末が,登場しました。
ウエアラブル端末は,しばらく前から登場しています。
Appleウォッチなど,ここ数年で話題になってきたのは,通信技術の発達,省電力・小型化技術の発達,モバイル機器の普及などが要因となっています。
このようなウエアラブル端末には,いくつかの種類があります。
- スマートフォンの活動量計機能アプリ:脈拍や加速度のセンサーを搭載し,脈拍や移動,消費カロリー,睡眠時間などを測れ健康管理等に使います。
- スマートウオッチ:時計型のウエアラブル端末です。活動量計の機能やスマートフォンのメールや通話など補助機能があります。
- ゴーグル型ウエアラブル端末:メガネのタイプです。視界に映像を表示できます。
ウエアラブル端末はまだ開発途上の印象です。
そのなかでも,スマートウォッチ,腕時計は,簡単に身に付けられ高機能なことから,少しずつ普及が進んでいるようです。
機能を知りうまい使い方が分かれば,健康管理の有力な助けとなります。
ウェアラブル端末は,今後,有意義な機能を開発できれば,生活をより豊かにする可能性があります。
4 車内が会議室なる自動運転車
ラスベガスで2015年1月に開催された国際家電見本市で,ドイツのメルセデス・ベンツが,コンセプト・カーを披露しました。
「自動運転車のあるべき姿をもう一度問い直そう」としたものです。
メルセデスベンツが紹介した自動車では,車内で会議ができます。
車内の中央にディスプレイ機能付きのテーブルがあり,応接室のような椅子で向かい合わせに打ち合わせができます。
ドアの内面には,高精細のタッチパネル・ディスプレーがあります。
ドアに大きく張り付いたディスプレイで,それぞれの搭乗者がマップやネットアクセスなどを楽しめるようになっています。
もちろん運転の必要はありません。
運転は車に任せて,人はコミュニケーションやディスカッションに力を注げます。
これを実現するためには,完全な自動運転の技術が必要です。
この自動運転の技術については,技術の発達に応じた人間の対応力が必要です。
自動運転の技術開発は,研究途上で,自動停止装置の事故が起こるなど課題がみられます。
理想的な社会実現のため,今後の技術開発が期待されます。
5 コンピューターやプログラムの働きを知る必要性
私たち人間は,コンピューターやプログラムの働きや仕組を理解し,その働きを過信せず,主体的にコンピューターを使っていくことが大切です。
プログラムは,人が作るため間違うことがあります。
完璧なプログラムを作ること困難で,修正版のアップデートは欠かせません。
したがって,コンピューターやプログラムで動作する身の回りのものについては,誤動作の可能性を心止めておき,そのときの対応を考えておく必要があります。
コンピューターやプログラムの働きを知り適切に活用できることは,今の時代に生きる子どもに必要な資質・能力です。
身の回りのコンピューターやプログラムに対する人の注意力や理解,使い方,マナーによってよりよい活用の度合いは変わります。
コンピューターやプログラムの働きを知り,適切に活用できることは,今の時代に生きる子どもに必要な資質・能力です。 |