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新しい学習指導要領の各教科等の目標は,どのように見直し整理したのでしょうか。
新しい学習指導要領は,全体像を分かりやすく見渡せるよう学びの地図として整理されました。
新学習指導要領の目標や内容は,
・「何ができるようになるのか」育成を目指す資質・能力
・「何を学ぶか」教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成
・「どのように学ぶか」各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実
等の観点で見直し整理されました。
育成を目指す資質・能力は,
「知識・技能」
「思考力・判断力・表現力等」
「学びに向かう力・人間性等」
の三つの柱で整理されています。
また,教科等の特質ある学びの中核は「見方・考え方」です。
このような目指す資質・能力を育成するためには,「主体的・対話的で深い学び」,すなわち「アクティブ・ラーニング」の視点からの学びを実現することが必要です。







1 「学びの地図」としての枠組みづくり

(1)見渡せるよう枠組みを改善

新学習指導要領は,「学びの地図」となるよう枠組みが大きく見直されました。*2
見直しの理由は,学習指導要領の全体像を分かりやすく見渡せるようにするためです。

学びの地図

新学習指導要領には,次の役割が期待されています。
・ 「社会に開かれた教育課程」の理念のもと,学校教育を通じて育む「生きる力」とは何かを具体化した資質・能力を育む
・ 社会とのつながりや各学校の特色づくりの軸となる
・ 子供たちの豊かな学びを実現する
そのため,中央教育審議会答申において,新学習指導要領には,目標や内容の全体像を分かりやすく見渡せる「学びの地図」の役割として以下が求められました。
・ 教科等や学校段階を越えて教育関係者間が共有できる
・ 子供自身が学びの意義を自覚する手掛かりを見いだせる
・ 家庭や地域,社会の関係者が幅広く活用できる
このような学びの地図としての学習指導要領の共有によって,教育課程を介して学校が社会や世界との接点となり,現在と未来をつなぐ役割を果たすことが期待されます。

(2)目標の表記の比較

新学習指導要領の枠組みの見直しと整理の具体は,どのようになっているでしょう。
例えば,算数科・数学科の目標は,次のように表記されます。下の表は,新旧学習指導要領における算数科と数学科の目標の比較です。
旧学習指導要領の目標は,内容の並びを揃えて一文にまとめています。そのため,目標を比較するには対応箇所を拾い読みする必要があります。
新学習指導要領の目標は,「冒頭文+箇条書き(1)~(3)」と構造を整えています。
冒頭文(柱書)は,学び方や見方・考え方,資質・能力を概括的に示しています。
箇条書き(1)~(3)については,
(1)知識及び技能
(2)思考力, 判断力,表現力等
(3)学びに向かう力,人間性等
となり,資質・能力の三つの柱が対応します。

学習指導要領における各教科等目標の構造

このように内容の構造化を図ったことにより,目標の比較が容易になりました。目標の対応部分を視覚的に素早く確認できます。
新学習指導要領では,目標の構成をすべての教科等,小・中・高で共通して整理したことにより,各教科等の横の関係や学年間・校種間の縦の関係が捉えやすくなりました。
例えば,算数科と数学科の目標の柱書が同一です。このことから,学び方や見方・考え方,資質・能力の基本は小・中・高を通じて同じであると判断できます。また,算数科では「算数的活動」,数学科では「数学的活動」としていた活動が,新学習指導要領では「数学的活動」に統一されたことも分かります。
このような目標の視覚的な捉えやすさは,「学びの地図」「構造化」の理念のもと,新学習指導要領が見直されたポイントの一つです。

現行学習指導要領(H20・21.3) 新学習指導要領(H29.3)
小学校算数 算数的活動を通して,
数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け,
日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え,
表現する能力を育てるとともに,
算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き,進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解するとともに,日常の事象を数理的に処理する技能を身に付けるようにする。
(2) 日常の事象を数理的に捉え見通しをもち筋道を立てて考察する力,基礎的・基本的な数量や図形の性質などを見いだし統合的・発展的に考察する力, 数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり目的に応じて柔軟 に表したりする力を養う。
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさに気付き,学習を振り返ってよりよく問題解決しようとする態度,算数で学んだことを生活や学習に活用しようとする態度を養う。
中学校数学 数学的活動を通して,
数量や図形などに関する基礎的な概念や原理・法則についての理解を深め,
数学的な表現や処理の仕方を習得し,
事象を数理的に考察し表現する能力を高めるとともに,
数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し,それらを活用して考えたり判断したりしようとする態度を育てる。
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・ 能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 数量や図形などについての基礎的な概念や原理・法則などを理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数学を活用して事象を論理的に考察する力,数量や図形などの性質を見いだし統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭 ・的確に表現する力を養う。
(3) 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感して粘り強く考え,数学を生活や 学習に生かそうとする態度,問題解決の過程を振り返って評価・改善しよう とする態度を養う。
高等学校数学 数学的活動を通して,
数学における基本的な概念や原理・法則の体系的な理解を深め,
事象を数学的に考察し表現する能力を高め,
創造性の基礎を培うとともに,
数学のよさを認識し,それらを積極的に活用して数学的論拠に基づいて判断する態度を育てる。
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1) 数学における基本的な概念や原理・法則を体系的に理解するとともに,事象を数学化したり,数学的に解釈したり,数学的に表現・処理したりする技能を身に付けるようにする。
(2) 数学を活用して事象を論理的に考察する力,事象の本質や他の事象との関係を認識し統合的・発展的に考察する力,数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表現する力を養う。
(3) 数学のよさを認識し積極的に数学を活用しようとする態度,粘り強く考え数学的論拠に基づいて判断しようとする態度,問題解決の過程を振り返って考察を深めたり,評価・改善したりしようとする態度や創造性の基礎を養う。

2 枠組み改善の観点

新しい学習指導要領では,教育課程が学校と社会や世界との接点となり,子供たちの成長を通じて現在と未来をつなぐ役割を果たすため,以下の6点に沿って枠組みが改善されました。*2
①「何ができるようになるか」育成を目指す資質・能力
②「何を学ぶか」教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成
③「どのように学ぶか」各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実
④「子供一人一人の発達をどのように支援するか」子供の発達を踏まえた指導
⑤「何が身に付いたか」学習評価の充実
⑥「実施するために何が必要か」学習指導要領等の理念を実現するために必要な方策

趣旨を実現するためには,
まず学習する子供の視点に立ち,学びを通じて①「何ができるようになるのか」という観点から,資質・能力を整理します。
その上で,資質・能力を育成するために②「何を学ぶか」という,必要な指導内容等を検討し,
その内容を③「どのように学ぶか」という,子供たちの具体的な学びの姿を考えながら構成します。
この「どのように学ぶか」という視点は,資質・能力の育成に向けて,子供の個性に応じた学びを引き出していく上でも重要です。
こうした観点からは,④「子供の発達をどのように支援するか」という視点も重要です。
加えて,教育課程の改善は理念を実現するために必要な施策と一体的に実施される必要があります。そのため,学習評価等を通じて⑤「何が身に付いたか」を見取ることや,⑥「実施するために何が必要か」を教育課程の在り方と併せて考える必要があります。

これを受け,学習指導要領の総則の項目立ては,上記に沿って構成されています。各学校が,教育課程に基づき組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図る「カリキュラム・マ ネジメント」を円滑に推進できるようにするためです。総則の項目立ては,教育課程の編成,実施,評価及び改善の手続を踏まえて,以下のように構成されています。

1.小学校教育の基本と教育課程の役割 …第1章 総則 第1
2.教育課程の編成 …………………………第1章 総則 第2
3.教育課程の実施と学習評価 ……………第1章 総則 第3
4.児童の発達の支援 ………………………第1章 総則 第4
5.学校運営上の留意事項 …………………第1章 総則 第5
6.道徳教育に関する配慮事項 ……………第1章 総則 第6

具体的には,次のようです。

小・中学校学習指導要領(平成29年3月)項目立て
第1章 総 則
第1 小学校教育の基本と教育課程の役割………【何ができるようになるか】
1 教育課程編成の原則
2 生きる力を育む各学校の特色ある教育活動の展開
(1)確かな学力
(2)道徳教育
(3)体育・健康に関する指導
3 育成を目指す資質・能力
4 カリキュラム・マネジメントの充実
第2 教育課程の編成………【何を学ぶか】
1 各学校の教育目標と教育課程の編成
2 教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成
(1)学習の基盤となる資質・能力
(2)現代的な課題に対応して求められる資質・能力
3 教育課程の編成における共通的事項
(1)内容の取扱い
(2)授業時数の取扱い
(3)指導計画の作成等に当たっての配慮事項
4 学校段階等間の接続
(1)幼児期の教育との接続及び低学年における教育全体の充実
[(1)義務教育9年間を見通した計画的かつ継続的な教育課程の編成]
(2)中学校教育及びその後の教育との接続
[(2)高等学校教育及びその後の教育との円滑な接続]
第3 教育課程の実施と学習評価
1 主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善………【どのように学ぶか】
(1)主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善
(2)言語環境の整備と言語活動の充実
(3)コンピュータ等や教材・教具の活用,コンピュータの基本的な操作やプログラミングの体験
(4)見通しを立てたり,振り返ったりする学習活動
(5)体験活動
(6)課題選択及び自主的,自発的な学習の促進
(7)学校図書館,地域の公共施設の活用
2 学習評価の充実………【何が身に付いたか】
(1)指導の評価と改善
(2)学習評価に関する工夫
第4 児童(生徒)の発達の支援………【子供の発達をどのように支援するか】
1 児童(生徒)の発達を支える指導の充実
(1)学級経営,児童(生徒)の発達の支援
(2)生徒指導の充実
(3)キャリア教育の充実
(4)指導方法や指導体制の工夫改善など子に応じた指導の充実
2 特別な配慮を必要とする児童(生徒)への指導
(1)障害のある児童(生徒)などへの指導
(2)海外から帰国した児童(生徒)や外国人の児童(生徒)の指導
(3)不登校児童(生徒)への配慮
第5 学校運営上の留意事項………【実施するために何が必要か】
1 教育課程の改善と学校評価(,教育課程外の活動との連携)等
2 家庭や地域社会との連携及び協働と学校間の連携
第6 道徳教育に関する配慮事項………【実施するために何が必要か】
* 出典:文部科学省「平成29年度 小・中学校新教育課程説明会(中央説明会)における文部科学省説明資料(1/2)」[ONLINE]http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/09/28/1396716_1.pdf(参照2018/04/20)を加工して作成

旧学習指導要領の項目立ては次のようです。
これと比較すると,新学習指導要領が,カリキュラムをマネジメントする思考過程に合わせて作成されていることが分かります。これに従い,学校の教育目標の実現に向けて,子どもや地域の実態を踏まえ,教育課程を編成・実施・評価し,改善を図るサイクルを計画的・組織的に推進していくことになります。

小・中学校学習指導要領(平成20年3月)項目立て
第1章 総 則
第1 教育課程編成の一般方針
第2 内容等の取扱いに関する共通的事項
第3 授業時数等の取扱い
第4 指導計画の作成等に当たって配慮すべき事項
第2章 各教科
第1節 国 語
第1 目 標
* 出典:文部科学省「学習指導要領(平成20年3月)」[ONLINE]http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1356249.htm(参照2018/04/20)を加工して作成

3 教科等の目標の見直し・整理*2

(1)資質・能力の三つの柱

「何ができるようになるのか」という観点から,資質・能力は三つの柱で構成されます。教科等の目標や内容もこれに基づいて再整理されます。
具体的には,「算数科・数学科の目標」のように,(1)知識・技能,(2)思考力・判断力・表現力等,(3)学びに向かう力・人間性等 に基づいて示されます。
資質・能力の三つの柱
(1) 「何を理解しているか,何ができるか」生きて働く知識・技能の習得
(2) 「理解していること・できることをどう使うか」未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成
(3) 「どのように社会・世界と関わり,よりよい人生を送るか」学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養

(2)「見方・考え方」を働かせる

各教科等の学びの中核は,「見方・考え方」です。教科等の目標では,柱書に「見方・考え方」が示されます。
算数科・数学科では,「数学的な見方・考え方」です。
数学的な見方・考え方を働かせ,数学的活動を通して,数学的に考える資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
社会科では,「社会的な見方・考え方」です。
※(広い視野に立ち)は,中学校社会科の目標
社会的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりする活動を通して,(広い視野に立ち)グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎を次のとおり育成することを目指す。
ただし,「社会的な見方・考え方」は,小学校社会科,中学校社会科の各分野の特質に応じた見方・考え方の総称です。
・ 小学校社会科においては「社会的事象の見方・考え方」,
・ 中学校社会科の地理的分野は「社会的事象の地理的な見方・考え方」,
・ 歴史的分野は「社会的事象の歴史的な見方・考え方」,
・ 公民的分野は「現代社会の見方・考え方
となります。
詳しくは,下記を参照ください。

小学校社会科「社会的な見方・考え方」

中学校社会科「社会的な見方・考え方」

これらの見方・考え方は,各教科等の特質に応じた物事を捉える視点や考え方であり,教科等の教育と社会をつなぐものです。
児童・生徒が各教科等の特質に応じた見方・考え方を働かせながら
・ 知識を相互に関連付けてより深く理解したり,
・ 情報を精査して考えを形成したり,
・ 問題を見いだして解決策を考えたり,
・ 思いや考えを基に創造したりする
ことに向かう過程を重視した学習の充実が必要です。
既に身に付けた資質・能力の三つの柱によって支えられた「見方・考え方」が,習得・活用・探究という学びの過程の中で働くことで,資質・能力が更に伸ばされたり,新たな資質・能力が育まれたりします。それによって「見方・考え方」が更に豊かなものになります。
このように「見方・考え方」を働かせることと資質・能力の育成は相互の関係にあり,「見方・考え方」は資質・能力の三つの柱の全てに働かせるものです。

(3)「主体的・対話的で深い学び」の実現

資質・能力を育むためには,「主体的・対話的で深い学び」,すなわち「アクティブ・ラーニング」の視点からの学びを実現することが必要です。
目標では,学習過程や学習活動として示されています。
例えば,小学校理科の目標では,柱書の前半部分「自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して」が,それに当たります。

自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して,自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

中学校国語科の目標では,柱書の前半部分「言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して」が,それに当たります。

言葉による見方・考え方を働かせ,言語活動を通して,国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

子供たちが,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができるようにすることが必要です。そのため,子供たちが「どのように学ぶか」という学びの質を重視した改善が求められます。
学びの質を高めていくためには,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて,日々の授業を改善していくための視点を共有し,授業改善に向けた取組を活性化していくことが重要である。
これが「アクティブ・ラーニング」の視点からの授業改善です。
形式的な対話型授業や特定の指導の型を目指した技術の改善にとどまるものではなく,子供たちそれぞれの興味や関心を基に,一人一人の個性に応じた多様で質の高い学びを引き出すことを意図するものです。
さらに,それを通してどのような資質・能力を育むかという観点から,学習の在り方そのものの問い直しを目指すものです。
学習指導要領改訂の方向性の全体構造は以下参照。*1
学習指導要領改訂の方向性
*1 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ 補足資料(1)」6ページ参照平成28年8月26日[ONLINE]http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2016/09/09/1377021_4_1.pdf(参照2017/05/10)
*2 文部科学省中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」平成28年8月26日[ONLINE]http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/gaiyou/1377051.htm(参照2017/05/10)






4 「学びの地図」に基づいた各教科等の目標

教科等 見方・考え方,学び方 資質・能力
国語 言葉による見方・考え方を働かせ,
言語活動を通して,
国語で正確に理解し適切に表現する資質・能力
社会 社会的な見方・考え方を働かせ,
課題を追究したり解決したりする活動を通して,
グローバル化する国際社会に主体的に生きる平和で民主的な国家及び社会の形成者に必要な公民としての資質・能力の基礎
算数 数学的な見方・考え方を働かせ,
数学的活動を通して,
数学的に考える資質・能力
理科 自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,
見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して,
自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力
生活 具体的な活動や体験を通して,
身近な生活に関わる見方・考え方を生かし,
自立し生活を豊かにしていくための資質・能力
音楽 表現及び鑑賞の活動を通して,
音楽的な見方・考え方を働かせ,
生活や社会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力
図画工作 表現及び鑑賞の活動を通して,
造形的な見方・考え方を働かせ,
生活や社会の中の形や色などと豊かに関わる資質・能力
家庭 生活の営みに係る見方・考え方を働かせ,
衣食住などに関する実践的・体験的な活動を通して,
生活をよりよくしようと工夫する資質・能力
体育 体育や保健の見方・考え方を働かせ,
課題を見付け,その解決に向けた学習過程を通して,
心と体を一体として捉え,生涯にわたって心身の健康を保持増進し豊かなスポーツライフを実現するための資質・能力
外国語 外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,
外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,
コミュニケーションを図る基礎となる資質・能力
道徳 第1章総則の第1の2の(2)に示す道徳教育の目標に基づき,よりよく生きるための基盤となる道徳性を養うため,
道徳的諸価値についての理解を基に,自己を見つめ,物事を多面的・多角的に考え,自己の生き方についての考えを深める学習を通して,
道徳的な判断力,心情,実践意欲と態度
外国語活動 外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,
外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,
コミュニケーションを図る素地となる資質・能力
総合的な学習の時間 探究的な見方・考え方を働かせ,
横断的・総合的な学習を行うことを通して,
よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力
特別活動 集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ,
様々な集団活動に自主的,実践的に取り組み,互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して,
次のとおり資質・能力を育成する

小学校学習指導要領各教科等の目標全文はこちらへ

参照 文部科学省「小学校学習指導要領」平成29年3月[ONLINE] http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/04/27/1384661_4_1.pdf(参照2017/05/10)

5 まとめ

平成29・30年改訂学習指導要領は,全体像を分かりやすく見渡せるよう,学びの地図として整理されました。
新学習指導要領の「目標」等は,「何ができるようになるのか」(育成を目指す資質・能力),「何を学ぶか」(教科等を学ぶ意義と,教科等間・学校段階間のつながりを踏まえた教育課程の編成),「どのように学ぶか」(各教科等の指導計画の作成と実施,学習・指導の改善・充実)等の観点で見直されています。
1 資質・能力は,「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」の三つの柱で整理されます。
2 教科等の特質ある学びの中核は「見方・考え方」です。
3 目指す資質・能力を育成するためには,「主体的・対話的で深い学び」,すなわち「アクティブ・ラーニング」の視点からの学びを実現することが必要です。