- Windows 10ユーザーが, 最新のApril 2018 Update(バージョン1803)をクリーンインストールするには,どのようにするとよいのでしょうか。
- ダウンロードサイトからメディア作成ツールをダウンロードし,インストールメディアを作って更新プログラムをインストールするとクリーンインストールができます。また,MicrosoftアカウントがあればPC環境を引き継げます。
手順は,次の通りです。
1 MediaCreationTool1803.exe(無料)をダウンロードする
2 USB等のインストールメディアを作成する(要USB等メディア)
3 外部デバイスから起動できるようBIOSの設定を変更する
4 インストールメディアを使ってPCにインストールする
【前編目次】
1 Windows 10の最新バージョン1803
2 ダウンロードサイト
3 USBフラッシュドライブの作成
4 USBメモリから起動するバイオス設定
【後編目次】
5 最新Windows10のインストール
6 アップグレードの終了
【追記】2020.5.30
※ Windows 10 Ver.2004 が,2020年5月27日にリリースされました。
Ver.1909 にアップデートした NEC PC-VN770SSB は,2020.5.29現在更新対象※1ではありませんが,Windows 10 ダウンロードサイト※2より手動にて更新作業を行いました。現在正常作動中です。
同様に Sony VAIO VGN-NS50B(Ver.1909) についても更新対象ではありませんが,手動でインストールを行いました。インストールに際してはエラーなく導入でき,現在正常動作中です。
この VAIO については,インストールツールを作成し,上書き更新及びクリーンインストールの二つの方法で試行導入しました。どちらも問題なくインストールできました。
更新方法,クリーンインストールの方法は,下記の方法と同様です。
なお,マイクロソフトは,インストールに当たっては,デバイスのハードウェア環境に対応し更新可能となるまで待つことを勧めています。実際に幾つかの問題点があり解決済みのものや調査中のものがあります。
※1 Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
※2 Microsoft「Windows 10 のダウンロード」サイト: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10 (2020.5.29)
【追記】2018.11.27
※ windows 10 Ver.1809 が,2018年11月13日に再リリースされました。
更新プログラムの再リリースは開始しましたが,ver.1809の更新については,Microsoftは「自動的に提供されるまで待つこと」を勧めています。
詳細は,次を参照ください。
【追記】2019.6.7
※ Windows 10 Ver. 1903 が,2019年5月21日にリリースされました。
前 Ver.1809 が正常動作する NEC PC-VN770SSB では,通常の更新チェックで5月24日に更新可能となり,Windowsアップデート※1を手動で適用できました。
その後,問題なく動作しています。
※1 Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
同様に正常動作していた Sony VAIO VGN-NS50B については,6月4日現在,更新可能となっておりません。
そのため, Microsoft ソフトウェアダウンロードの Windows 10 サイト※2より手動でダウンロード及びインストールを行いましたが,更新可能と表示され,正常にインストールできました。
※2 Microsoft「Windows 10 のダウンロード」サイト: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10 (2019.6.7)
このように,Ver.1809 と同様に,デバイスのハードウェア環境によって更新可能日が異なります。
Ver. 1903 のインストールに当たっては,デバイスのハードウェア環境に対応し更新可能となるまで待つことをお勧めします。
なお,Windows 10 ver.1803 のメインストリームサポートの終了日( 18 か月間の品質更新プログラムの提供)は,2019年11月12日と迫っています。
したがって,本稿の内容は,より新しい内容の「Windows 10 ver.1809再公開版をクリーンインストールする方法(前編)」とともに,方法論として参考にされてください。
【追記】2019.6.11
2019年6月6日現在の現状では,Windows 10バージョン1903は,Windows Updateを介して「更新プログラムのチェック」※を手動で選択するすべてのユーザーが利用できるようになりました。
※ Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
Current status as of June 6, 2019:
Windows 10, version 1903 is available for any user who manually selects “Check for updates” via Windows Update. The recommended servicing status is Semi-Annual Channel.
Microsoft「Windows 10, version 1903 and Windows Server, version 1903」[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/status-windows-10-1903(2019.6.11)
5 最新Windows 10 のインストール
ここでは,「SONY VAIO PCG-7143N」を例に説明します。
(1)PCの起動
① USBフラッシュドライブをPCのUSBコネクタに差し込む
USBフラッシュドライブは,電源スイッチを入れる前に挿入します。
② PCの電源を入れる
電源投入2,3秒後に,ソニーのロゴ「VAIO」が表示されます。続いて,数秒後にWindows 10 のシンボルマークが画面中央に表示されます。
1分間ほど,USBフラッシュドライブからプログラムを読み込みます。
読み込み後,インストールプログラムが起動し,セットアップ画面が表示されます。
(2)Windowsの設定
① セットアップ画面で必要事項を設定する
最初のWindowsの設定では,次の4項目を設定します。
- 「インストール言語」…「日本語(日本)」
- 「時刻と通貨の形式」…「日本語(日本)」
- 「キーボードまたは入力方式」…「Microsoft IME」
- 「キーボードの種類」…「日本語キーボード(106/109キー)」
操作には,マウスが使用できます。初期設定のままで,特に変更の必要がないときは,「次へ」をクリックします。
② 「今すぐインストール」をクリックする
画面中央に,「今すぐインストール」のボタンが表示されます。それをクリックして,先に進みます。
なお,左下に,「コンピューターを修復する」を選択するボタンがあります。これは,Windows 10 使用時に致命的な問題が起こった場合などに,USBフラッシュドライブから起動して問題の修復を可能性とするものです。
③ 「プロダクトキーがありません」をクリックする
Windowsのライセンス認証
このPCにWindowsを初めてインストールする場合(または別のエディションをインストールする場合),有効なWindowsプロダクトキーを入力する必要があります。プロダクトキーは,Windowsのデジタルコピーを購入した後に届いた確認メールに記載されているか,Windowsが梱包されていた箱の内側にあるラベルに記載されています。 プロダクトキーは次のような形式です。×××××-×××××-×××××-×××××-××××× Windowsを再インストールする場合は,「プロダクトキーがありません」を選びます。Windowsは,後で自動的にライセンス認証されます。 |
ここでは,再インストールに該当するため,プロダクトキーは入力せず「プロダクトキーがありません」を選び,「次へ」をクリックします。
④ OSの選択
OSのエディションの選択画面に移ります。
ここでは,「Windows 10 Pro」,「Windows 10 Home」,「Windows 10 Education」が選択できます。
現在の Windows 10のエディションに対応するエディションを選択します。本稿の例では,「Windows 10 Pro」を選択します。
⑤ 「適用される通知とライセンス条項」の同意
「適用される通知とライセンス条項」が表示されます。
内容に同意する場合は,「同意します」にチェックを入れ,「次へ」をクリックします。
(3)インストールの種類の選択とパーティションの初期化
① 「インストールの種類を選んでください」では「カスタム」を選択する
この「インストールの種類を選んでください」では,「アップグレード」と「カスタム」の選択肢があります。
アップグレード:Windowsをインストールし,ファイル,設定,アプリを引き継ぐ
このオプションでは,ファイル,設定,アプリがWindowsに引き継がれます。このオプションは,サポートされているバージョンのWindowsが既にPCで実行されている場合のみに使うことができます。 カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定) このオプションでは,ファイル,設定,アプリがWindowsに引き継がれません。パーティションとドライブに変更を加える場合は,インストールディスクを使ってPCを起動して下さい。手順を続ける前に,ファィルをバックアップすることをお勧めします。 |
本稿では,クリーンインストールを目的としているので,「カスタム」を選択します。
② インストールする領域を選択する
ここでは,パーティションとドライブの変更ができます。
パーティションとは,ドライブを分割した領域のことです。
内蔵ハードディスクは1つですが,複数の領域に分けることができます。2つの領域に分ければ,あたかも2つのハードディスクを内蔵しているように運用できます。 内蔵ハードディスクドライブの1つ目には,「ドライブ0」と名前が付けられます。 |
上記は,既存の1つの内蔵ハードディスクに「ドライブ0」と名前が付き,そのドライブのパーティション(領域)が2つに分かれています。
ドライブ・領域名 | 合計サイズ | 空き領域 | 種 類 |
---|---|---|---|
ドライブ0パーティション1
Recovery |
8.4GB | 0.262GB | OEM(予約済み) |
この領域には,購入初期の状態に戻すときのリカバリー用データが保存されています。
致命的な問題が発生した場合に,PCを工場出荷状態に復元できるようになっています。 |
|||
ドライブ0パーティション2 | 224.5GB | 205GB | システム |
この領域は,Windows 10 のシステム領域です。 |
本稿では,リカバリーを担保するため「パーティション1:Recovery」は温存します。「パーティション2」を初期化して,そこにWindows 10 を導入することにします。
③ パーティション2(領域)を初期化する
画面下部では,「削除」「フォーマット(初期化)」「新規」「拡張」の機能が選択できるようになっています。
「削除」…パーティションを削除します。
「フォーマット」…パーティションのデータを消去して,まっさらな状態に戻す初期化をします。
「新規」…開放された空きスペースからパーティションを新規に作ります。
「拡張」…パーティションのサイズを変更します。ボリュームサイズを拡張できます。
ここでは,「パーティション2」を選択し,その領域をフォーマットします。
まず,「パーティション2」を選択して,青色の選択状態にします。続いて,赤丸で囲っている「フォーマット」をクリックします。
すると数秒でフォーマットは終了し,次の操作に移れるようになります。
本稿のPCでは,「ドライブ0パーティション2:システムで予約済み」の領域が自動的に作成され,「Windowsの全ての機能が正常に動作するように,システムファイル用に追加のパーティションが作成されることがあります。」と表示されます。
「OK」をクリックすると,「Windowsをインストールしています」と表示され,Windowsファイルのコピーが始まります。
④ 再起動したら,USBフラッシュドライブを抜く
Windowsのインストール作業中に,PCは数回再起動します。
その際,USBフラッシュドライブを挿入したままにしていると,PCは,再起動の度にUSBからプログラムを読み込み実行しようとします。
再起動がかかりWindowsのインストール画面が落ちたタイミングで,USBフラッシュドライブを抜きます。
冒頭と同じWindowsのセットアップ画面が表示されたら,二度目の読み込みになっています。
その際には,画面やPCが待ち受け状態で停止していることを確かめて,電源ボタンを長押ししてPCを終了させます。
PCの終了後,USBフラッシュドライブを抜きます。そして再度電源ボタンを押しPCを起動します。
そうすれば,インストール作業の続きが始まります。
(4)Windowsの設定
① 「お住いの地域はこちらでよろしいですか」と表示されたら,「はい」をクリックする
地域が日本になっていることを確認して,「はい」をクリックします。
② 「キーボードレイアウトはこちらでよろしいですか」と表示されたら,Microsoft IME を確認し,「はい」をクリックする
③ 「2つ目のキーボードレイアウトを追加しますか」と表示されたら,「スキップ」をクリックする
追加する場合は,「レイアウトの追加」をクリックします。
④ 「ネットワークに接続しましょう」と表示されたら,該当のネットワークを選択して「次へ」をクリックする
イーサネット有線LANの場合は,自動的に「接続済み」になります。
無線LANの場合は,受診している近隣の無線LANのSSIDと電波強度が表示されます。該当するSSIDを選択し,パスワードを入力します。
⑤ 「設定する方法を指定してください。」と表示されたら,「個人用に設定」または「組織用に設定」のいずれかを選択する
「個人用に設定」は,個人用のMicrosoftアカウントを使ったセットアップを手伝います。このデバイスを完全に制御できます。
「組織用に設定」は,電子メール,ネットワーク,アプリ,サービスといった組織のリソースにアクセスできます。組織はこのデバイスを完全に制御できます。
⑥ メールアドレスとパスワードを入力する
Microsoftアカウントの設定をします。既存のアカウントと一致すれば,クラウド上に保存されているWindowsの各種設定が引き継がれます。
⑦ PINを入力する
パスワードの代わりに使用するPINを作成します。PINとは,暗証番号のようなものです。コンピュータを立ち上げて,Windowsにログオンするとき,PINで簡単にログオンすることができます。
PINの文字数は,4文字以上127文字以下です。
使用できる文字種は,「数字」はもちろん「英字(大文字,小文字)」や「記号」が利用できます。当初は数字だけでしたが,英字や記号についても利用できるようになったのは,Windows 10 ver.1709からです。
なお,記号については,キーボードが入力できるものは全て使用できます(Microsoftチャットサポート談)。
⑧ 「電話とPCをリンクする」が表示されたら,必要に応じて電話番号を入力する
WindowsPCでの作業をスマホと連携させたいときは,電話番号を入力します。
⑨ 「Cortanaをパーソナルアシスタントとして指定しますか」と表示されたら,適宜「はい」または「いいえ」を選択する
⑩ 「デバイスのプライバシー設定の選択」が表示されたら,必要に応じて設定する
6 アップグレードの終了
以上で無事にクリーンインストールが終了しました。
なお,ライセンス認証については,クリーンインストールする前に既にライセンス認証済であることから,Microsoftアカウントやハードの等の情報から自動でデジタルライセンスがデバイスに発行されます。したがって,インストールの過程では,ライセンス認証のためのプロダクトキーの入力は不要です。
メールのアカウントなども自動で設定されるため,Windowsのインストール終了後すぐに利用できます。OneDriveのデータなどもそのまま利用できます。
下のように,Windows 10 Proのバージョンは,「1803」となっています。
「Windows 10 最新1803をクリーンインストールする方法(前編)」へ
Windows 10 最新1803をクリーンインストールする方法(前編)
1 Windows 10の最新バージョン1803 (1)重なるアップデートで動作に影響 2 ダウンロードサイト 3 USBフラッシュドライブの作成 (1)準備 4 USBメモリから起動するバイオス設定 (1)バイオスを起動する |