- Windows 10ユーザーが, 最新のOctober 2018 Update(Ver.1809)をクリーンインストールするには,どのようにするとよいのでしょうか。
- Windows 10 October 2018 Update ダウンロードサイトからメディア作成ツールをダウンロードし,インストールメディアを作成してインストールすると,クリーンインストールが選択できます。
また,MicrosoftアカウントがあればPC環境を引き継げます。
バックアップ等の必要な準備を終えた後の手順は,次の通りです。
1 MediaCreationTool1809.exe(無料)をダウンロードする
2 USB等のインストールメディアを作成する(要USB等メディア)
3 USB等からPCが起動できるようBIOSの設定を変更する
4 インストールメディアを使ってPCにインストールする
5 Windows Update から Ver.1809 用の新たな修正プログラムを適用する
6 「本人確認」手続きをする
7 BIOS設定を元に戻す
本稿は1から3を説明します。
4から7は「Windows 10 最新1809をクリーンインストールする方法(後編)」で説明します。
【追記】2020.5.30
※ Windows 10 Ver.2004 が,2020年5月27日にリリースされました。
Ver.1909 にアップデートした NEC PC-VN770SSB は,2020.5.29現在更新対象※1ではありませんが,Windows 10 ダウンロードサイト※2より手動にて更新作業を行いました。現在正常作動中です。
同様に Sony VAIO VGN-NS50B(Ver.1909) についても更新対象ではありませんが,手動でインストールを行いました。インストールに際してはエラーなく導入でき,現在正常動作中です。
この VAIO については,インストールツールを作成し,上書き更新及びクリーンインストールの二つの方法で試行導入しました。どちらも問題なくインストールできました。
更新方法,クリーンインストールの方法は,下記の方法と同様です。
なお,マイクロソフトは,インストールに当たっては,デバイスのハードウェア環境に対応し更新可能となるまで待つことを勧めています。実際に幾つかの問題点があり解決済みのものや調査中のものがあります。
※1 Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
※2 Microsoft「Windows 10 のダウンロード」サイト: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10 (2020.5.29)
※ windows 10 ver.1809 は,2018年11月13日に再リリースされました。
更新プログラムの再配信は始まりましたが,Microsoftは「自動的に提供されるまで待つこと」を推奨しています。
詳細は,次の「序 Windows 10 ver. 1809 更新プログラムを再公開」を参照ください。
【追記】2019.6.7
※ Windows 10 Ver. 1903 が,2019年5月21日にリリースされました。
前 Ver.1809 が正常動作する NEC PC-VN770SSB では,通常の更新チェックで5月24日に更新可能となり,Windowsアップデート※1を手動で適用できました。
その後,問題なく動作しています。
※1 Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
同様に正常動作していた Sony VAIO VGN-NS50B については,6月4日現在,更新可能となっておりません。
そのため, Microsoft ソフトウェアダウンロードの Windows 10 サイト※2より手動でダウンロード及びインストールを行いましたが,更新可能と表示され,正常にインストールできました。
※2 Microsoft「Windows 10 のダウンロード」サイト: https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10 (2019.6.7)
このように,Ver.1809 と同様に,デバイスのハードウェア環境によって更新可能日が異なります。
インストールに当たっては,デバイスのハードウェア環境に対応し更新可能となるまで待つことを勧めています。
なお,Windows 10 ver.1809 のメインストリームサポートの終了日,すなわち,18 か月間の品質更新プログラムの提供が終了する日は,2020年05月12日です。
【追記】2019.6.11
2019年6月6日現在の現状では,Windows 10バージョン1903は,Windows Updateを介して「更新プログラムのチェック」※を手動で選択するすべてのユーザーが利用できるようになりました。
※ Windows Update : 「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」→「更新プログラムのチェック」
Current status as of June 6, 2019:
Windows 10, version 1903 is available for any user who manually selects “Check for updates” via Windows Update. The recommended servicing status is Semi-Annual Channel.
Microsoft「Windows 10, version 1903 and Windows Server, version 1903」[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/status-windows-10-1903(2019.6.11)
序 Windows 10 ver. 1809 更新プログラムを再公開
(1)Windows 10 更新プログラム再リリース
2018年11月13日,Microsoftは,Windows 10 October 2018 Update を再リリースしました。
この更新ファイルは 2018年10月3日 に公開されましたが,更新後にユーザーがファイルを見つけられないという一部の報告を調査したため配信を中断していました。
11月13日,すべての関連問題を調査し解決したため,再リリースとなりました。
発売日:2018年11月13日
バージョン:Windows 10,バージョン1809
Windows 10,バージョン1809を再リリース
2018年11月13日に,Windows 10 October Update(バージョン1809),Windows Server 2019,およびWindows Server,バージョン1809の再リリースが開始されます。デバイスに機能更新が自動的に提供されるまで待つことをおすすめします。
Microsoft Windows support 「Windows 10 update history Windows 10, version 1809 re-released 」https://support.microsoft.com/en-us/help/4464619/windows-10-update-history(cf.2018.11.18) Google 翻訳により翻訳2018年11月13日10:00 AM
Windowsのロールアウトを再開する
10月上旬に,更新後にユーザーがファイルを見つけられなかったという孤立したレポートを調査したため,Windows 10 October 2018 Updateの公開を一時停止しました。私たちはデータの損失を真剣に受け止め,10月9日に述べたように,私たちはすべての関連問題を徹底的に調査し,解決しました。
広範な内部検証に加えて,Windows Insider および Windows 10 October Update の数百万デバイスからのフィードバックと診断データを詳細に監視する時間がかかり,データ損失の証拠はこれ以上ありません。このデータに基づいて,今日,メディアを介して利用できるようにして,October Update の再リリースを開始しています。
Microsoft Windows Blogs “Resuming the rollout of the Windows 10 October 2018 Update”https://blogs.windows.com/windowsexperience/2018/11/13/resuming-the-rollout-of-the-windows-10-october-2018-update/(cf.2018.11.18)Google 翻訳により翻訳
(2)更新プログラムは順次自動配信
更新プログラムの再配信は始まりました。しかしながら,Microsoftは「自動的に提供されるまで待つこと」を勧めています。
準備ができたデバイスから順に自動で更新するようです。
筆者のメインPCは,11/18現在,通常のWindows アップデートでは更新情報が表示されません。
このようなことから,Ver.1809 のインストールを必要とする場合は別として,Windows 10 ユーザーは,Windows Update が自動で通知するまで Ver.1809 への更新を待つ方が得策かもしれません。
Windows 10 October 2018 Update 更新プログラムは,お手持ちのデバイスの準備が整い次第,自動的に更新されます。*
* Windows 10 October 2018 Update,Windows Update により自動的に実行されます。更新プログラムのダウンロード後,インストールが完了するまでの所用時間が通知されます。現在の Windows 10 のバージョンのサービスが終了した場合,Update Assistantを使用することですぐにアップデートを始めることができます。
Microsoft Windows 「Windows 10 October 2018 Update 更新プログラム」[ONLINE]https://www.microsoft.com/ja-jp/windows(参照:2018.11.18)(確認:2018-12-30)
(3)クリーンインストールのリスク
上記(1),(2)のように,Microsoftは,「自動的に提供されるまで待つこと」を推奨しています。
データ消失等の不具合が再発しないよう検証作業を進めながら,更新プログラムの自動配信を進めているようです。
そのため,通常のWindowsアップデート操作で更新プログラムが表示されない場合は,お手持ちのPCのどこかに未検証の部分がある,あるいは未対応の状態である可能性があります。
仮に未検証・未対応の状態のPCであった場合, Windows 10 Ver.1809 クリーンインストールしようとすると,Windows等が導入できないか,導入できても不具合が起こることが考えられます。
上書きアップデートであれば,すでに導入済のソフトやハードの詳細なインストール情報を照会して,問題が起きないかインストーラーが判断できます。しかし,クリーンインストールではそうはいきません。
加えて,クリーンインストールでは,Windows 10 Ver.1809 を導入する前に,既存のシステムデータを全て削除します。導入に失敗した場合は,既存の状態への復元にかなりの時間とエネルギーを要します。
ついては,筆者としても自動的に提供されるまで待つことを推奨します。
Windowsがお手持ちのPCに更新プログラムを案内すれば,クリーンインストールしてもWindows 10 Ver.1809 に問題が起こる可能性は低いでしょう。
とは言え,Microsoftは,「すべての関連問題を徹底的に調査し,解決しました。…データ損失の証拠はこれ以上ありません。このデータに基づいて,…再リリースを開始しています。」としています。このことから,特殊な状況でなければ問題は起こらないと考えます。
筆者の試行用のノートPCについては,Windows 10 Ver.1809 クリーンインストールは成功し,問題なく動作しています。
メインPCについては,インストール途中に警告が出たものの,現在正常に稼働しています。インストール結果の詳細は次の通りです。
(4)Ver.1809のインストール結果と問題点
① インストール結果
PC1 | PC2 | |
---|---|---|
型名 | SONY VAIONOTE VGN-NS50B モデル PCG-7143N |
NEC VALUESTAR PC-VN770SSB |
再リリース以後の更新通知 | なし | なし |
方法 | クリーンインストール | アップグレード Win8.1(工場出荷時)→ Win10 ver.1809 |
導入可否 | 可 | 可 (導入途中に警告あり) |
導入月日 | 2018-11-17 | 2018-11-20 |
稼働状況 | 正常稼働中 | 正常稼働中 |
PC1のWin10 ver.1809の導入は,次の通り成功しました。
PC2のWin10 ver.1809の導入は,次の通り成功しました。
PC2については,工場出荷時に戻し(Win10 ver.1803からWindows 8.1 へダウングレード),Windows 8.1 の状態から,インストールメディアを使用して Win10 ver.1809 にアップグレードしました。
② Windows からの問題点の指摘
ア インストール途中のハードに関する問題の指摘
Windows 8.1 上でインストールメディアの setup.exe を起動して,Windows 10 をセットアップしている途中に,次の警告が出ました。
このデバイスは,Windows 10 で互換性がありません。…お使いのディスプレイでは,Windows 10 で問題が発生します。 |
警告はされたが,既に Windows 10 を削除し特段の対処ができないことから,「確認」をクリックしてインストールを継続しました。
前回の大型アップである ver.1803 の更新プログラム適用の際も同様の手順でインストールしましたが,このような警告は出ていません。
結果として,Windows から警告された対象のドライバ IntelHD Graphics 4600 (Intel Corporation) は,インストール後次のように正常に動作しています。
イ インストール途中でのソフトに関する問題の指摘
ソフトの問題の指摘もありました。McAfee については,筆者は,6年前のソフトであり使用予定がないので,指摘を放置して先に進みました。
ウ インストール終了後のWindows 10 からの通知
Windowsの「セキュリティとメンテナンス」の通知内容を確認すると,2点指摘がありました。
- Realtek Bluetooth suite は利用できなくなりました。
このアプリは,このバージョンの Windows では使用できないため,PC から削除されました。 - McAfee Total Protection 2012 and 2013 は利用できなくなりました。
このアプリは,このバージョンの Windows では使用できないため,PC から削除されました。
Realtek Bluetooth suite については,翌日のWindows Update で新しいファイルに更新され有効になりました。
McAfee Total Protection については,インストール途中でも指摘されましたが,Windows Defender を有効にしているので削除されても問題ありません。
「すべての関連問題を徹底的に調査し解決した」とMicrosoftが公表している以上,更新プログラムを手動によって適用しても大きな問題は起きないと考えます。
しかしながら,上記の状況を勘案すると,Microsoft の勧めに沿う方が無難でしょう。
特に,業務に使うなど中心として稼働するPCへの更新プログラムのインストールについては,Microsoft が勧めている通り「自動的に更新プログラムが提供されるまで待つ」方が安心です。
以下,本稿では,前述のPC1の場合,すなわち手動で行うクリーンインストールについて説明します。
Windows 10のライセンス認証が完了した PC で,Windows 10の最新October 2018 Update(バージョン1809)をクリーンインストールする方法について,その手順を説明します。
1 Windows 10 の最新バージョン
(1)更新プログラム適用PCが優先される Windows 10 のサポート
Windows 10 には,Ver.1809に至るまでに次のようなバージョンがあります。
Windows 10 のリリース履歴
Version | 別名 | OS build | 公開日 |
---|---|---|---|
1809 | October 2018 Update | 17763.134 | 11/13/2018 |
1803 | April 2018 Update | 17134.1 | 04/30/2018 |
1709 | Fall Creator Update | 16299.19 | 10/17/2017 |
1703 | Creators Update | 15063.138 | 04/11/2017 |
1607 | Anniversary Update | 14393.10 | 08/02/2016 |
1511 | November Update | 10586.3 | 11/10/2015 |
1507 (RTM) | Released in July 2015 | 10240.16405 | 07/29/2015 |
※ Microsoft.com「Windows 10 のリリース情報」[ONLINE]https://www.microsoft.com/ja-jp/itpro/windows-10/release-information(2018/11/18)
※ リリース情報ページURL変更[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-10/release-information(cf:2018-12-30)
【追記】2019-6-7
2019-6-7現在の Windows 10 のバージョンは,下記の通りです。
Version | 別名 | OS build | 公開日 |
---|---|---|---|
1903 | May 2019 Update | 18362.145 | 5/21/2019 |
※出典:「Windows 10 リリース情報」[ONLINE]https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/release-information/(2019-6-7)
いわゆるWindows 10 の大型アップデートは,「モダン ライフサイクル ポリシー(以下,モダンポリシー)」に準拠しています。
その大型アップデートを適用すれば,Windows 10 の機能の改善や品質の向上が図れることはもとより,更新したWindows 10 は,モダンポリシーに準拠するためMicrosoftのサポート終了日のない継続的なサービスが受けられます。
一方,アップデートしなければ,Windows 10 のサポート期間が短縮する恐れがあります。
このことから,Windows 10 October 2018 Update 更新プログラムの自動更新情報がお手持ちのPCに表示されれば,Ver.1809への更新作業を進めたいところです。
既に旧バージョンとなったWindows 10 ver.1607のメインストリームサポートは2018年4月10日,ver.1703は2018年10月09日にすでに終了し,ver.1709 は2019年4月9日の終了が迫っています。
サポート期間の詳細は,以下のページをご参照ください。
Windows 10 ver.1903等更新しないとサポートが短縮する恐れ
(2)ダウンロードサイト
Windows 10 最新バージョン1809の更新プログラムは,マイクロソフトサイトで公開されています。
Windows PC では,下記のWebサイトからメディア作成ツールをダウンロードし,インストールメディアを作成できます。
Mac PC では,下記のURLを指定しても「Windows 10 のディスクイメージ (ISOファイル) のダウンロード」サイトに誘導されます。
「Windows 10 のダウンロード」Microsoft [URL]https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10 |
一方,Mac PC では,インストールメディアを直接作成できません。
Mac PC では,下記のサイトからWindows 10 のディスクイメージ (ISOファイル) をダウンロードして,DVDディスクなどのメディアを作成します。
Windows PC では,下記のURLを指定しても「Windows 10 のダウンロード」サイトに誘導されます。
「Windows 10 のディスクイメージ (ISOファイル) のダウンロード」Microsoft [URL]https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/Windows10ISO |
「Windows 10 のディスク イメージ (ISO ファイル) のダウンロード」サイトでは,April 2018 Update (ver.1803) と October 2018 Update (ver.1809) のエディションを選択できます。
また,それらの Windows 10 エディションは,Windows 10 Home と Windows 10 Pro の両方で有効です。
「エディションの選択」メニューから,「Windows 10 October 2018 Update」(Windows 10 ver.1809)もしくは「Windows 10 April 2018 Update」(Windows 10 ver.1803)を選択して,インストールします。
2 準備
(1)準備の一覧
インストールの準備として,以下の物品の準備や作業等が必要です。
- 作業時間の確保
Windows 10 Ver.1809 のインストール作業時間は2時間程度 8時間程度確保できれば概ね安心 - 安定持続的なネットワーク通信回線の確保
有線LAN推奨 無線LANは通信遮断の可能性有り - データのバックアップ
アカウント情報,各種IDとパスワードを含む 特に,Microsoftアカウントのメールアドレスとパスワード - USBメモリの準備
動作確認ができている8GB以上のUSB1本
(2)内容の詳細
① 作業時間
作業時間は,Windows 10 Ver.1809 のインストール作業自体は,2時間程度です。それに加えて,
- データのバックアップ
- Windows 10 Ver.1809 インストール後のアプリケーションやデータの復元など
それらの量に応じて時間は増加します。6から8時間程度の作業時間を確保できれば概ね安心できます。
② ネットワーク
インストールに使用するネットワークについては,有線LANを推奨します。
長時間ネットワークに接続し大量のデータを受信することから,環境が許せば有線LANを使用したいところです。通信が途絶えるリスクが低いからです。
通常使用しているネットワーク回線速度が,普段と比べて遅く感じるようであれば,ルーター等のネットワーク機器を再起動あるいは電源を一旦落とすなどしてリセットしておくと,回線速度が速くなる場合があります。
③ バックアップ機器
バックアップ機器,メディアについては,高速転送できるものを使用します。
特に,データのバックアップは数ギガに及ぶことが予想されバックアップと復元に数時間を要します。
④ Microsoftアカウント
Microsoftアカウントについては,現行PCのログインが Microsoftアカウントによる場合であれば,引き続き使用したいところです。
Microsoftアカウントを使用すれば,Windows 10 Ver.1809 インストール後に同様の環境が容易に復元できます。
⑤ USBメモリ
USBメモリについては,USB3.0 に対応するなど高速な仕様のもので,動作が信頼できるものの使用をお勧めします。
USBメモリは,消耗品で長期間使用すると破損します。信頼できるメーカー製で動作確認済みのUSBメモリを選択したいところです。
インストールメディアのUSBフラッシュドライブは,以下の手順で作成します。
3 USBフラッシュドライブの作成
インストールメディアとして,USBメモリまたはDVDディスク,isoディスクイメージを作成できます。
それらのインストールメディアは,一般に下記の用途に使用できます。
- Windows 10 をインストールするライセンスを有し,Windows 7 または Windows 8.1 から PC をアップグレードする
- Windows 10 のライセンス認証が完了した PC で,Windows 10 を再インストールする
本稿は「2.」に該当し,インストールメディアとしてUSBフラッシュドライブを作成し,Windows 10 ver.1809をクリーンインストールする方法について説明します。
【所要時間】
20分(インストールメディア作成時間12分を含む)
|
(2)「ツール」のダウンロード
① 「Windows 10 のダウンロード」 のページを開く
「Windows 10 のダウンロード」※ページを開き,インストールメディアを作成する方法を確かめます。
② 「ツールを今すぐダウンロード」 をクリツクする
メディア作成ツール「MediaCreationTool1809.exe」は「Windows 10 のダウンロード」ページからダウンロードします。
このツールをダウンロードするには,Windowsの管理者として実行する必要があります。
「Windows 10 のダウンロード」ページの「ツールを今すぐダウンロード」ボタンをクリックします。
ダウンロードが終了すると,フォルダに「MediaCreationTool1809.exe」のファイルが保存されます。
(3)ツールを使ってWindows 10をダウンロード
① 「MediaCreationTool1809.exe」を起動する
指定したフォルダもしくはPCの既定のダウンロードフォルダにある「MediaCreationTool1809 .exe」をダブルクリックして起動します。
② ライセンス条項「同意する」を選択する
「適用される通知とライセンス条項」が表示されるので,内容を確認します。
インストールを続ける場合は,「同意する」を選択します。
③ 「別のPCのインストールメディアを作成する」を選択し,「次へ」 をクリツクする
「実行する操作を選んでください」では,
- このPCを今すぐアップグレードする
- 別のPCのインストールメディアを作成する
の二つの選択肢があります。
「1.」は,インストールメディアを作成しているPC自身をWindows 10 にアップグレードします。この場合,クリーンインストールはできません。
インストール作業の途中で,既存のアプリケーションなどを引き継ぐ選択はできますが,パーティションの削除やフォーマットの選択はできません。
本稿では,クリーンインストールができる「2.別のPCのインストールメディアを作成する」を選択し,「次へ」 をクリックします。
④ 「言語,アーキテクチャ,エディションの選択」を選択する
Windows 10 の言語(日本語),エディション(Windows 10 ),アーキテクチャ (64 ビット) を確認します。
インストールメディアの作成作業をしているPC自身に最新版を導入する場合は,
「このPCにおすすめのオプションを使う。」のチェックは入れます。
他のPCに導入する場合は,
「このPCにおすすめのオプションを使う。」のチェックは外します。
【参考】筆者は,ver.1803を導入する際,「PC自身に導入する場合」でUSBフラッシュドライブを作成しようとしましたが,二回連続でエラーとなり作成に失敗しました。「このコンピューターでは,USBフラッシュドライブを作成できません。原因は不明です。」とのWindowsからのコメントでした。 やむなく,他のWindowsPCを使って「他のPCに導入する場合」でUSBフラッシュドライブを作成しました。 このように,作成できないPCがあるので注意が必要です。 |
⑤ 「USBフラッシュドライブ」を選択する
USBフラッシュドライブは,8GB以上の容量のUSBメモリを使用します。
⑥ 「USBフラッシュドライブを選んでください。」ドライブを確認し「次へ」
複数のUSBメモリを挿入している場合は,表示されているドライブ文字を確認します。
USBは初期化されるので,インストールメディアを作成するドライブであることを確かめます。
⑦ インストールメディア ファイルのダウンロード開始
インストールメディア作成終了までの所要時間は,12分です。
通信回線最大1Gbpsの光回線,作業用PCはCPUインテルCore(TM)i7 2.4GHz,実装RAM16.0GBです。USBメモリは,USB3.0対応です。
インストールメディア作成終了までの所要時間 約12分
|
【参考】これまでの更新プログラムで,同じPCを使った作成作業時間は,下記のようでした。
|
⑧ 「USB フラッシュ ドライブの準備ができました」
「USB フラッシュ ドライブの準備ができました」が表示されれば,インストールメディア作成作業は終了です。
念のため,接続しているドライブ内(例では F:)を確認し,インストールされたファイル名等の情報を確かめます。
【参考】上記のファイルを他のUSBメディアにコピーしても動作しません。 Microsoftホームページから正規の手順で作成したインストールメディアのみが使用可能です。 |
4 USBメモリから起動するバイオスの設定
通常,PCはC:ドライブのハードディスク等から起動します。
本稿では,外付けのUSBフラッシュドライブからWindows 10をインストールするために,次の点についてPCのバイオスの設定を変更します。
- PCをUSBメモリから起動(boot)できるようにする
- 起動の優先順位を「USBメモリからの起動」を一番にする
【参考】バイオス(BIOS)とは,PCの初期設定や基本的な入出力機能の制御を行うプログラムのことです。電源投入直後,最初に専用の半導体から読み込まれて実行されます。WindowsなどのOSが起動する前に動作させることができ,システム仕様の確認,時刻設定,PC本体のパスワード設定,周辺機器の起動設定・起動順序設定などの設定ができるものです。 |
(1)バイオスを起動する
① PCに有線LANを接続し,電源プラグをさす
Windows 10を導入するPCを,LANケーブルでネットワークにつなぎ,電源プラグをコンセントにさします。
② 「F2」キーなど専用キーを押したまま電源スイッチを入れる
バイオスを起動するキーは,多くのPCが「F2」キーです。
「F2」キーの他に,「F12」,「Delete」,または「 Esc」 などがあります。「Fn」キーと「F2」キーを同時に押す場合もあります。
専用キーを押したまま離さずに,電源スイッチを入れます。または,専用キーを連打しながら,電源スイッチを入れます。
③ バイオスが起動したら「F2」キーを離す
バイオスの内容や画面は,メーカーによって違いがありますが,おおむね似ています。
SONYバイオノート(VGN-NS50B/L)のバイオス画面は,上部にカテゴリーの名称があります。
左から,「Main」,「Advanced」,「Security」,「Boot」,「Exit」です。
バイオでは必要な設定情報は,左から4番目の「Boot」カテゴリーにあります。
メニューの選択や決定には,下記のキーを使用します。
・「→」「←」…Select Screen 画面選択です。「Main」など5つのカテゴリーの選択に使うキーです。
・「↑」「↓」…Select Item 項目の選択・移動に使います。 ・「Enter」…Select 選択・確定するときに押します。 ・「F4」…Save 設定変更して保存するときに押します。 ・「ESC」…Exit 終了するときに押します。 |
メーカーの違いがあっても,おおむねこれらのキーを使います。
使用するキーの説明が表示されている場合は参照してください。画面の右下か下部に配置されていることが多いようです。
(2)バイオスの設定を変更する
「Boot」カテゴリー画面を選択し,起動メディアの起動優先順位等の設定を,次の初期設定から
次の設定に変更します。
【変更の要点】
◯「Boot Configuration」「External Device Boot:」を「Enabled」にします。
外部ディバイスからの起動を「有効」にします。これにより,USBフラッシュドライブから起動できるようになります。
「Disabled」(無効)に設定されているときは,挿入していても起動しません。
◯「Boot Priority」で「Select 1st Boot Priority」を「External Device」にします。
第1優先起動を外部ディバイスにします。これにより,PCは,ハードディスクや光ディスクより先に,USBフラッシュドライブのプログラムを読み込むようになります。
1「Boot Configuration」ブート設定
・External Device Boot:「Enabled(有効)」 2「Boot Priority」ブート優先度 ・Select 1st Boot Priority:「Internal Optical Disc Drive」 → 「External Device」外部デバイス |
① 「Boot」画面を表示する
バイオスの起動画面から,「→」キーを押して「Boot」カテゴリー画面を表示します。
ソニーバイオノート(VGN-NS50B/L)では,起動初期の画面から「→」キーを3回押します。
② 「External Device Boot」を選択する
「↑」「↓」キーで,「External Device Boot」を選択します。
エンターキーを押すと下記のようなダイアログ画面が表示されます。
③ 「Enabled(有効)」を選択する
「External Device Boot」のダイアログになっていることを確かめて,「↓」キーで,「Enabled(有効)」を選択します。
エンターキーを押すと確定されます。
これにより,外部機器のUSBフラッシュドライブから起動できるようになります。
④ 「Select 1st Boot Priority」を選択する
「↑」「↓」キーで,「Select 1st Boot Priority」を選択して,エンターキーを押すと下記のようなダイアログ画面が表示されます。
「Select 1st Boot Priority」には,4つの選択肢があります。
- Internal Optical Disc Drive … 内蔵光学ディスクドライブ(CD-ROM,DVD-ROM等のドライブ)
- Internal Hard Disk Drive … 内蔵ハードディスクドライブ
- External Device … 外部機器(USB等からの起動)
- Network … ネットワーク(ネットワークを通じて他のPC等からの起動)
⑤ 「External Device」外部デバイスを選択する
「↑」「↓」キーで,「External Device」外部デバイスを選択して,
すなわち,「Select 1st Boot Priority」を「External Device」にして,
エンターキーを押します。
すると,残ったハードディスクと光ディスクドライブが,自動的に2nd Boot Priority,3rd Boot Priority に繰り上がり変更されます。
2nd ,3rdは,今回あまり影響はないので,そのままです。
⑥ F4キーを押して保存する
F4キーを押すと,変更した設定が保存され,終了します。
バイオス設定の終了は,この他にもESCキーを押す,または,バイオスの画面上部のカテゴリー画面「Exit」を選択することでもできます。
「Exit」で「Exit Setup」を選択すると,変更を保存後,システムセットアップを終了します(Exit System Setup after saving the changes. )。
バイオス設定画面が終了すると,ハードディスクへのアクセスが始まり,通常通りWindowsが起動します。
Windowsの通常起動後,特に作業の必要が無い場合は,Windowsの終了操作をします。
なお,Windows 10のアップグレード作業が終了したときは,上記の作業を再度行い,バイオスの設定を元に戻すことを忘れないようにします。
仮に,設定を戻すことを忘れても,重大な問題が起こる可能性は低いので,慌てず設定を戻してください。
「Windows 10 最新1809をクリーンインストールする方法(後編)」に続く
Windows 10 最新1809をクリーンインストールする方法(後編)
5 Windows 10 Ver.1809 のインストール (1)インストールプログラムの起動 6 その他の作業 (1)Windows Update の更新プログラムを適用する |